三歳 散歩

三男、三歳は散歩が好きだ。犬の散歩ではない。一応、近所や公園だけでなく、公共の乗り物を使ったり、買い物をしたり、特別な事は何もしないが、三歳はとても楽しみにしていることがある。

はじめに、近くのコンビニに立ち寄る。カウンターに、ガチャガチャで10円を入れると、ガムが一つ出てくるおもちゃがある。このガチャガチャで、
「今日は何色かな〜」と、
ワクワクしながら回す。
彼の中では、赤、青、緑は当たりで、白がハズレと決まっているが、味は同じ。

ガチャガチャを回し終えると、目の前のバス停で図書館までバスに乗る。コレもまた楽しみだ。ボタンを押したがるが、押せなくても別に良くなってきたり、ちょっとしたアトラクション気分で前の手すりにしっかりつかまり、三つ先のバス停で下車。

下車すると消防署があり、水が張ってある池、のような、水槽のようなものがある。そこには大きな金魚が三匹、住んでいる。
いつもお決まりは、
「僕も一緒に入りたいな〜」
と、涼しそうな様子を見ながら図書館へ。

図書館へ着くと、お決まりのおもちゃコーナーへ。
パズルとコマ、小さな電車が置いてあり、端から一つ一つ遊ぶ。先日デパートで、図書館と同じ木のパズルが売っていたので、よく見て見たらドイツ製でえらい金額だった。ありがたく遊ばせてもらう。

本を返し、途中のファミレスで一休み。お気に入りのランチとフリードリンクですっかり、お腹もいっぱいに。

また駅近くまでバスに揺られながら、お気に入りの本屋さんで、幼児向けの絵本やおもちゃでたくさん遊ぶ。その間に、月間雑誌とお姉ちゃんから頼まれた本を探して、次は下の階のマーケットに、お菓子買いに行こう!というと、喜んでエレベーターへ。

いつものお菓子コーナーで、お気に入りのおやつを、自分とお姉ちゃんの分を持ってきて、
「お姉ちゃんを迎えに行こう!」
と、意気揚々に帰る。
時間まで、小さな公園で滑り台をしながら、姉が学校から帰るのを待つ。

いつもの、小さな、でも、とっておきのお楽しみが詰まったお散歩。遠出しなくても、特別はなくても、お金も少しだけ。

簡略化すると、

ガチャ
バス
金魚
おもちゃ
ファミレス
バス
絵本
お菓子
滑り台
お迎え

小さな王子との散歩は、可愛いだけじゃない、楽しいだけじゃない、一生のうちのたった、三歳だけなんだ。話がある程度わかり、分別も少しついて、歩くのが楽しくて仕方ない。今更になって、小さい子とお散歩するのが、デートより、一人で歩くより、こんなに楽しいものだとは…気がついて良かった。



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